看護師を主人公とするドラマは、コメディタッチで描かれることも少なくありません。そのため、楽しい職業だというイメージを抱いて看護師になる人も少なからず存在するのが実情です。中には自分のスキルを磨くより、男性医師との婚活を優先させる看護師もいるでしょう。しかし、医療機関は患者の命を左右する場所です。看護師はエッセンシャルワーカーと呼ばれ社会的地位の高い職業ではあるものの、その実情は危険、きつい、汚いの3Kを満たしている側面もあります。収入は一般企業の会社員よりも高い水準となっていますが、仕事のハードさや不規則な生活を考慮するとそれほど高くありません。だからこそ強い目的意識を持っていなければ、看護師としての仕事は続かないのです。看護師の離職率が高いのは、目的意識の欠如が原因の一つの原因と言えるでしょう。
また、患者に記入してもらった問診票に沿って患者がどんな症状に困っていて、いつから困っているのか把握する読解力が必須です。自分の症状をあらかじめ調べてくる患者もいるので、治療に関する希望を聞き出す傾聴力も求められます。さらに、総合病院や大学病院では患者一人に対して医師と複数人の看護師がチームを組んで処置内容を打ち合わせるのが一般的です。そのため、自分が正しいと思うことを遂行するだけでなく、チームメンバーから意見を汲み取る協調性も求められるでしょう。強い目的意識以外にも読解力や傾聴力、協調性など看護師に必要とされる資質は多岐にわたります。