看護師として就職してから、当面はメンターやプリセプターと呼ばれる先輩看護師から教育を受けながら働くことになります。その教育期間を終えて一人前の看護師になったら、看護観を考えてみましょう。それまでは現場でやるべきことを学ぶ段階でしたが、教育期間を終えた後は自分で何をすべきか考えて行動を起こしていかなければいけません。これをやるべきか、やらないべきかと悩んだときに判断基準になるのが、自分の持っている看護観です。看護観から考えるとやるべきだ、やったら問題が生じる可能性が高いといったことを考えられるようになります。つまり、看護観を考えることで仕事上での軸ができ、自信を持って行動する基盤ができあがるのです。

新人看護師の時代を終えて一人前になると、今度は自分がメンターとして新人看護師の教育を担うことになります。その際にも重要になるのが看護観で、新人看護師に対して首尾一貫した考え方で指導することが可能です。指示するときにこういう考え方もあれば、こんな考えをする人もいるなどはっきりとしない説明をしてしまうと、新人看護師も悩んでしまいます。しかし、こういう方向性で看護をしていくものだと私は考えているということを伝えて、それに基づいた指導をしていけば新人看護師も納得して仕事に従事できるでしょう。自分なりの看護観に基づいて明確な指針を見せられるメンターは信頼されやすいため、後輩看護師と良好な関係を構築できるはずです。